血管の修理人 ぶどうの種のOPC
フードネイチャーC&OPC
これほど血管を強くしてくれるもの、静脈瘤とたたかってくれるものは他にない。
頭からつま先までの、すべての組織に血織を送っている毛細血管から大動脈と静脈までの、入りくんだ血管のネットワークは、あなたの命綱である。正常な心臓の機能と結びついた血管の無欠性と強さは、あなたの健康と生存の議論の余地のない重要なファクターである。もしも、血管が老化して病み、もろくなり、細くなり、漏るようになったら、あなたの健康は危うくなる。もしも、血液によって運ばれる酸素が、適切に流入しないようになれば、あなたの心臓の筋肉はダメージを受け、脳細胞は死ぬか機能不全に陥り、足の筋肉は痙攣して痛み、視力は衰える。もしも、血管が漏れたり破裂したりすれば、脳出血であなたは苦しみ、小さな蛇行静脈が皮膚の表面に浮き出てくるし、歯ぐきや鼻からも出血する。足には静脈痛が突き出てくる。

血管からの漏出で浮腫やむくみができる。循環系を作りあげている何キロにも及ぶ長さの毛細血管、静脈、動脈のバイタリティ以上に決定的な重要性をもっているものはない。しかし、もろくなり弱くなっている血管を実際に強くし、血管に健康をとり戻させ、循環系の病気を予防する薬の存在を、あなたは耳にされたことがあるだろうか?実はそういう自然の薬があって、ヨーロッパでは広く使われて驚異的な成績をあげている。そして、他にはそのような薬はまったく存在しない。ぶどうの種とフランスの海岸松の樹皮からの摘出物がそれなのだが、主成分は抗酸化作朋をもった分子の混合物である。

その混合物は、化学的にはさまざまに呼ばれている。プロアントシアニジン、プロシアニジン、プロアントシアニドリック・オリゴマ一類・オリゴメリック・プロシアニジン(oligomeric procyanidins)略してOPC)、ピクノジェノール類、ピクノジェノール。そして単にぶどうの種抽出物≠ニした製品もある。科学者のあいだでは一般にOPCと呼ばれており、製品名ではピクノジェノールが一般的である(プロアントシアニジンはOPC、ピクノジェノールの主要成分)。OPCは弱くなった血管の構造的な強度を現実に高めるので、専門家たちは血管の病気の治療に使っている。

それ以外にもOPCは生物学的活性をもっていて、知られている限りでの最も強力な抗酸化物質の一つであるー複数のテストによるとビタミンEの五〇倍。抗酸化物質はフリーラジカルを無害化するので、フリーラジカルが原因の根底にある病気、フリーラジカルによって促進される病気を防ぐ助けにもなる。合衆国ではOPCについての研究は始められたばかりなので、治療効果を裏付ける科学的データは、アメリカの医学雑誌や教科書にはあまり出ていない。しかし、ヨーロッパ、とくにフランスでは、40年間の研究と使用の歴史があり、それは注目に値する。多くのアメリカ人たちはすでに、OPCを摂った経験から、驚くべき症状の緩和に狂喜しているし、もたらされる恩恵がよりよく知られるようになって、その評判は碓実に高まっている。専門家たちはOPCを植物性のサプリメントのスーパースターと呼び、人間の健康に益するすべての植物性の先のなかで最も効力をもつもののひとつといっている。 OPC、ピクノジェノールとは何か?
1947年に、フランスの高名な科学者でボルドー大学医学部名誉教授のジャック・マスクリエが、ピーナッツの皮から無色の物質のOPCを最初に単離した。彼はそれを妊娠で浮腫に苦しんでいた学部長の妻に与えた。彼女の足は膨れあがっていて、すぐに疲れてしまうので歩くこともできないくらいだった。「ええ、学部長の奥さんは48時間で治りました」と、ドクター・マスクリエはいう。
「ですから私の抽出物には特別の何かがあったはずです。」1950年に、ピーナッツの皮のOPCはフランスで、最初の血管保護薬として、ルシビの名で売り出された。それから四半世紀後、ドクター・マスクリエがぶどうの種から抽出したOPCがオンドトゥロンの名で発売された。

1979年にドクター・マスクリエは、彼の頭脳の所産である抽出物に、ピクノジェノール類(pycnogenols)という名前をつけた。ギリシャ語からとったもので、その抽出物が化学的に多くの顔をもった物質群であることを表現したのである。現在ではピクノジェノール(pycnogenol)は、英国のホーファー・リサーチ社の商標として登録されていて、同社はフランスの海岸松の樹皮からピクノジェノールを抽出して販売している。ドクター・マスクリエはまた、OPCをほとんどすべての植物から見つけ出している−赤ワイン、皮ではなくピーナッツそのものからも。現在、市販されている製品は、ぶどうの種から抽出したものか、フランスの海岸松の樹皮から抽出したものである。しかし、赤ワインと紅茶の血管を守る働きと抗酸化作用は主としてOPCによるものと、ドクター・マスクリエはいう。

どんな証拠があるか?
 もしも、あなたがフランスに住んでいたら、OPCが静脈瘤に対してまっ先に使われるベストの薬だということをご存知だろう。静脈瘤は静脈が張りをなくして伸び、腫れて紫がかった色になり、皮膚に出っ張りをつくって外観を損なうだけでなく痛みを件う異常である。複数の研究が、OPCを摂ると静脈が強化され、引き締ってきて弾力が戻り、皮膚に出っ張っていたのが元の位置に引っ込んでいくことを確かめている。ドクター・マスクリエと同僚は、静脈瘤に対するOPCの効力を確認するための研究を九回行っている。他にOPCが第一に選択される異常は浮腫である。血管の壁が弱くなってくると漏れるようになり、漏出した水分が貯まって膨らみをつくる。それが浮腫で水分が異常に蓄積した状態なのだ。毛細血管の壁を強化することと、他の生物学的な巧妙な手段によって、OPCはその浮腫を改善すると考えられている。その働きは高血圧、うっ血性心不全、スポーツによる怪我の腫れなどに対しても大きな助けとなるはずだ。

OPCは目の問題―眩輝(まぶしさ、グレア)、夜盲、黄斑変性−、関節炎、花粉症、アレルギー、鼻血などの治療にも使われている。「OPCを毎日摂っていますと、血管が補強されます」と、ドクター・マスクリエはいう。あなたはOPCが必要な状態かどうか、それを自分で知る方法を彼はこう述べている。−「朝、歯を磨くときに出血する。目の角膜に血の小さな点がついているのがわかる。夜に疲労感がある。両方のふくらはぎがむくんでいる。浮腫に気づく。そのような場合には、あなたの血管はもろくなっているのですが、OPCがそのすべての病理学的なメカニズムとたたかってくれます。」

四〇年におよぶヨーロッパの研究
ヨーロッパの人たちは四〇年間、毛細血管と血液循環の問題、とくに静脈熔に対してOPCを使ってその恩恵を受けてきた。研究の多くはドクター・マスクリエと同僚によって行われたのだが、賞賛に値するものである。1995年にイタリアの研究者が、それまでの研究を詳しく調べ直して、OPCは確かに効果があり、ケースによっては他の強力な人工合成製薬よりも優れていると結論している。五〇名の静脈瘤患者を対象にした、二重盲検法による、よく管理された1981年の研究では、一日一五〇ミリグラムのぶどうの種のOPC(オンドトゥロン)が、一般に処方されている薬より速く効き、長く効果を持続している。痛み、焼灼感(しょうしゃく)、ひりひりする感じ、静脈の膨張の程度を比較して判定したもので、OPCを摂った人は三〇目以内にすべての症状が消えている。

広範閲に静脈痛がみられる患者たちにOPCを一回だけ一五〇ミリグラム与えた研究でも、標準的な検査による綿密な測定で静脈の状態の改善が確認されている。フランスでの静脈瘤または静脈不全(ある部分から静脈血を完全に排液できないために浮腫や皮膚病を隼じる)患者九二名を対象にした二重盲検法による1985年の研究では、ぶどうの種のOPCを一日三〇〇ミリグラム、二八日間摂った結果が、対照薬と比較されている。それでは、痛み、ひりひり感、・夜中の足の痙攣、むくみが対照薬よりも五〇パーセント以上改善されている。

七五パーセントの人が改善をみていて、その効果はニセ薬の二倍だった。
OPCはまた、目にもよい薬であることが証明されている。OPCは明るい光による眩輝(まぶしさ)からの目の回復を助ける。フランスで一〇〇人を対象にして別個に行われた二つの研究では、ぶどうの種のOPCを一日に二〇〇ミリグラム、五週間摂った人たちは、明るい光を当てられた彼の視力(視覚の鋭さ)の回復が劇的に向上している。他の複数の試験では、ぶどうの種のOPCは、コンピューターを使って働いている人の目のストレスを緩和し、近視の人の網膜の機能と敏感さを高めている。数件の研究でOPCは、糖尿病性網膜症の治療によい成績をあげている。日の治療に使われているOPCの標準的な量は、一日一〇〇〜一五〇ミリグラムである。

強い抗酸化作用は、OPCを老人性円板状黄班変性(視野の中心部の視力が著しく低下する深刻な視力障害)の理想的な治療薬にしていると、抗酸化物の権威であるネブラスカ大学のドクター・デンハム・ハーマンはいう。他の弱い抗酸化物質だと黄斑変性の進行に追いつかないけれども、OPCは「目の血管系での進行を局所で止める」からである。

ドクター・ディクソンの奇跡それは私の目の病気をストップさせた″
ジョージア州の小さな町の検眼士、マジソン・ディクソンは七六蔵で、加齢に関連した探刻な二つの病気―白内障と黄斑変性−の進行を遅らせるために、四〇年近くビタミンCとベータ・カロチンを主体に抗酸化物質を摂ってきた。だから、フランスからやって来たピクノジェノールと呼ばれる超強力の抗酸化物質のことを聞いたとき、彼は興奮した。それならばもっとよく視力を守ってくれるだろうと思ったからだ。とくに彼が心配していたのは寅斑変性で、右目の視野の中心部が見えなくなりはじめていることだった。黄班は眼底部にある網膜の小さなセンターで、網膜をとり囲んでいる脈絡膜の側から血管が伸びて、その血管から漏出、出血が起きると視野の中心部の視力が失われていく。

ドクター・ディクソンは一九九三年にピクノジェノールを摂りはじめた。そして彼は大喜びをした。黄斑変性の悪化が止まり、白内障も止まったのだ。「視力は回復しませんでしたが、最初はピクノジェノールで、次にはぶどうの種摘出物で病気の進行を遅らせることができたことは確かです」と、彼はいう。最初、彼はピクノジェノールのカプセルを一口に八個摂ったが、四か月後からは一日二個に減らした。それから価格の安いぶどうの種抽出物に変えたけれど、効果は変わらなかった。最近、彼は隠退したけれども、それまでは患者にぶどうの種のOPCとピクノジェノールを勧めてきた。そして、その人たちの日は例外なく改善されたと、彼はいう。 「効果のなかった患者は、ただの一人もいませんでした。」

ぶどうの種の抗酸化物質は、慢性関節リウマチが進行していた彼の妻のジェーンにも奇跡をもたらした。彼女は両膝と腰の骨の代替手術を受けていて、またもう一方の腰の骨の代替手術を受けようとしていた。「ドクターは]線で調べて六か月から一年のうちに手術しなくてはならなくなるでしょうといっていました」と、彼は回想する。
 「それは四年前のことです。ドクターはびっくりしましたよ。わたしたちはもう手術のことは考えることさえしていません。ぶどうの種抽出物を摂るようになって以来、彼女の腰の骨は手術したよりももっと問題が起きなくなりました。」

高血圧の危険を除く
OPCは高血圧を改善する助けをし、高血圧によって起きた異常を逆転させる助けをする。高血圧の人は一般的に毛細血管が弱くなっていて、透過性が高くなっており、脳出血や目の網膜の血管の破壊のチャンスが高まっていることを、複数の研究が示している。ハンガリーの著名な科学者のドクター・ミクロス・ガボールは、高血圧の傾向のある動物を使った広範囲の研究で、0PCが毛細血管を強化することを確かめている。それはOPCが、脳の血管が破れるような弱さにならないように強度を保つ働きをすることを意味していると、彼はいう。フランスの研究者たちは、高血圧患者、糖尿病患者、高血圧の糖尿病患者を対象にした試験でニセ薬との比較を行っているが、OPCは毛細血管の抵抗力を二五パーセント高めている。

ドイツのミュンスター大学薬理学教授のドクター・ペテル・ローデヴアルドは、海岸松樹皮のOPC(ピクノジュノール)が、高血圧の引き金になるストレス反応によるエピネフリンの分泌を減らすことを確かめている。動物を用いた実験では、最初にピクノジェノールを与えておくと、脳卒中による脳のダメージがはるかに少なくなることも確かめている。毛細血管の抵抗力″つまり強度を高める能力をはっきり示す実験も彼は行っている。中高年者の皮膚に真空装置を当てると、皮膚の中に微小な出血がたやすく見られる。ドクター・ローデヴアルドと同僚たちは、それを利用して毛細血管の抵抗力を高めるピクノジェノールの能力を確かめたのだ。被験者にピクノジェノールを一回だけ一〇〇ミリグラム摂ってもらってから真空装置を当てたところ、容易には出血しなかった。真空装置のパワーを上げないと出血しなかったのだ。これはピクノジュノールが毛細血管を強化したために「かんたんに漏出したり、出血したりしなくなった」ことを意味していると、ローデヴァルド教授はいっている。

炎症や糖尿病で血管の透過性が異常に高くなる(そうなると血管からの漏出がひどくなる)ことはよく知られている。フランスのパリ大学の研究者たちの行った動物実験によると、そのような有害な透過性の増大をOPCが、脳の毛細血管、心臓の大動脈、心臓の筋肉の毛細血管で抑制している。

マリアンの奇跡それは私のアレルギーを治した″
ヨーロッパで行われた複数の研究は、OPCがヒスタミンの放出を抑えることを明らかにしている。OPCは抗ヒスタミン薬として作用するわけで、それは花粉症やアレルギー性鼻炎で苦しんでいる人にとっては朗報となるはずである。実際、大きなサプリメント会社の新製品部門の長であるマリアン・ホルタン・ジャンセンは、一三年つづいてきた花粉症がわずか三日で止まったときにはびっくりしてしまった。彼女はOPCがアレルギーを和らげるということは聞いていたが、信じていなかったのだ。「私はそれを無視しました。私は生れながらの懐凝主義者なんです」と、彼女はいう。しかし、フランスのオンドトゥロン(現在の製品名はジャック・マスクリエのTru−OPCs)の科学的証明を詳しく調べ直して抗ヒスタミン物質としての効果を確かめた論文を読み、いいわ、試してみましょう、と思った。

「私はあらゆる種類の医師の処方する薬を摂っていました。テルフエナジンを含めて。飲むと、ぼんやりしてきて、頭が半分も働かなくなる感じになるものばかりでした。」彼女はドクター・マスクリエのOPCを、フランスで抗ヒスタミン薬として勧められている量である一日三〇〇ミリグラム摂った。「三日のうちに最悪のケースだった鼻づまり、涙目、ちくちくする咽喉の症状が消えて、私はただ驚いています。」彼女は現在もOPCを毎日二五〇ミリグラム摂っていて、「最高のアレルギー・シーズンでも症状がぶり返すことはまった〈ありません」という。

それはどのように作用するのか?
OPCは、加齢や病気によって弱くなった血管の壁を強くする他のものにはない能力をもっていて、それが高く評価される第一の理由になっている。その能力によってOPCは、もろくなった血管を逆転させ、より完全な血管にして血液が楽に流れるようにし、漏出しないようにするのだ。OPCは具体的にはどうやってそれを行うのかというと、血管の壁を、より丈夫な、より厚い、より堅く編まれた組織にすることによってである。それで血管は伸びたり、破れたり、漏出したりしなくなる。ドクター・マスクリエの説明によるとき血管壁にあるコラーゲンとエラスチンという二つのたんばく質が、血管壁の柔軟性と透過性を決定する重要なもので、血管壁が堅いか、強いか、柔軟性があるか、もろいか、漏出しやすいかどうかは、それによって決定される。

OPCはこの二つの建築ブロックに結びついて、それらが破壊的な酵素によって変性するのを防ぐ一方、それらの合成と成熟を助ける。かんたんにいえば、OPCは、血管を作っている結合組織の構造を補佐して、抵抗力のある強いものにするのである。OPCの働きはそれだけではなく抗炎症作用によっても血管を守る。炎症が動脈と静脈の老化に大きく寄与していることがわかってきているので、それも重要な働きである。OPCはまた、ヒスタミンの放出を制御している酵素の働きを抑えることで、抗ヒスタミン薬としても作用する。「OPCは抗ヒスタミン薬として売り出きれてはいませんが、抗ヒスタミン薬同等の働きをします」と、ドクター・マスクリエはいう。

あなたにはどれだけ必要か?
治療目的で勧められているOPCの量は、一目150〜300ミリグラム。血管をよい健康状態に保つための維持量は、1日50〜100ミリグラム。安全性 広い範囲の食品に含まれている食品成分なので、OPCは安全だと考えられている。毒性試験は、はつかねずみ、ねずみ、モルモット、犬で行われており、突然変異の発生率を高めないこと、発癌性物質でないこと、毒性がないことが明らかになっている。人を対象にした臨床試験では医師たちは副作用を報告していないと専門家たちはいっている。

あなたは試してみるべきか?
あなたの血管には助けが必要だと思っていたらー加齢と病気によって血管は避けがたく弱くなるーOPCを摂ることは懸命な考えである。とくにあなたが高齢であるか、静脈瘤、拡張蛇行静脈、加齢に関連した視力の低下、むくみ、浮腫、アレルギー、高血圧、出血しやすい、青あざが出来やすい、家族に脳出血や糖尿病の病歴がある場合には、OPCの恩恵が期待できるはずだ。同じ作用のOPCに代りうる安全な薬は、処方薬にも売薬にも、自然療法薬にもない。OPCは安全で比較的安価なので毎日摂ることができる。血管が弱くなって循環系に問題を生じている体にそれが、新しい全体的な健康の次元を加えてくれる。OPCの血管を補強する働きは、すべての動脈、静脈、毛細血管で行われるものである。その働きには選択性がない。だから、血管から来た病気とのたたかいでOPCがもたらしてくれる潜在的な利益は巨大である。

他にどんな働きをするか
OPCは抗酸化物質なので、コレステロールが動脈壁に堆積しないように作用することが研究によって明らかにされている。OPCの抗炎症作用は、関節炎、アレルギー、気管支炎、喘息などを含めた炎症状態の緩和を助ける。OPCはまた、血液の凝固傾向を正すことによって、心臓発作や脳卒中の引き金となる血栓ができないように作用する。アリゾナ大学の研究者、ドクター・ロナルド・ワトソンは最近の研究で、OPC(ピクノジェノール)が、血小板の凝集を正常化して血栓の形成を防ぐことを確認している。煙草を喫うと血小板が過度に凝集して血栓ができやすくなるのだが、OPCを摂って平均約二〇分後には、被験者の血小板が正常になったのだ。

脳の薬でもある?
OPCは、注意欠陥障害(ADD)、それにハイパーアクティブが加わった、注意欠陥・ハイパーアクティビティ障害といった、途方に暮れてしまうような障害に苦しんでいる人たちのあいだでも使われはじめている。この使用が始まったのは、まったくの偶然の出来事からである。ADDの人がアレルギーを治すためにOPCを摂り、注意力が散漫でなくなり、精神が集中できるようになったことにふと気づいたのだ。それで他の人も使いはじめ、その噂はたちまち広がって、ADD薬としてのOPCは、インターネットや自然食品のトレード・ショーで日立つ存在になった。この目的でのOPCの使用については、まだ多くの研究はされていない。しかし、オクラホマ州タルサの心理学者、マリオン・シガードソン博士による予備的な研究では、OPCが驚異的な効果をもたらしている。

ドクター・シガードソンはADD治棟の専門家だが、ぶどうの種のOPCと海岸松樹皮のOPCをブレンドした製品 (ドクター・マスクリエのOPC−85)を使って、ADDと診断された子どもと成人三〇名を対象に効果を確かめている。被験者たちにコンピューターで処理する一組の装置を与えて、注意力、集中力、その他のさまざまな状況下の重要なADDのファクターを判定するためのテストを行ったのだ。OPCと比較したのはリタリンなどの興奮薬で、OPCも薬も与えないと被験者のADDが悪化した。しかし、OPCを摂ったときは大部分の被験者のスコアーが上がり、それは興奮薬と同じだった。興奮薬と同等の成績だったのである。一般に子どもには比較的少量で効果があり(体重九キロ当たりOPC二〇ミリグラム)、成人はその倍の、体重九キロ当たりOPC四〇ミリグラムで効果があった。被験者の多くにはその他にもよい効果がもたらされた。心拍数が下がり、にきびがよくなり、テニスによるひじの痛みが消え、睡眠と気分が改善された。
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