マグネシウムの不足は、心臓病だけでなく、様々な病気に関係してきます。
1疲労
300種類以上の代謝に関わるマグネシウムが不足すると、円滑な代謝を妨げ、不要な物質をため込むことになります。また、エネルギーをつくり出す反応に不可欠なため、不足すると疲れやすくなります。ビタミンB1、B2、B6は、代謝の要になるB群ですが、これらのB群もマグネシウムの助けがないとうまく働くことができません。
筋細胞中のマグネシウムが不足すると、細胞の外に圧倒的に多いカルシウムが細胞内に流れ込みやすくなり、そのため筋肉が収縮するが、マグネシウムが少ないためカルシウムを細胞の外に汲み出せないという状態、つまり痙攣を起こしやすくなります。マラソンの後の選手の細胞内マグネシウムは、激減します。慢性疲労症候群の患者の細胞内マグネシウムが不足しているという報告もあります。
2生理痛・頭痛
生理痛は、子宮筋のいわば痙攣ですから、マグネシウムの不足している状態でもあります。実際、適切なマグネシウムの補給で、生理痛がなくなる人もいます。
一口に頭痛といっても、その原因にはいくつかあります。マグネシウムが役に立つのは、肩こりなど筋肉の緊張から来る筋緊張性頭痛。
それと血管の部分的な収縮と拡張から来る血管性頭痛です。マグネシウムは、筋肉の緊張を解いてくれます。また血管の筋肉をリラックスさせることで血流が増え、血行が良くなるからです。他のタイプの頭痛、例えばクモ膜下出血によるものや脳腫瘍によるもの、脳出血によるものなどもありますので、まず自分の頭痛が何であるか、医師の診断を受けるべきです。
3ゼンソク
ゼンソクというのは、気管支の筋肉が収縮し続けている状態のことです。そのため呼吸が苦しくなるのです。マグネシウムは気管支の筋肉を弛緩させて、筋肉の収縮を緩めることで気管支を広げてくれます。また、ゼンソクは、アレルギー反応ですが、マグネシウムにはアレルギー反応を抑える働きもあります。カルシウムが肥満細胞に流れ込むと、ヒスタミンが肥満細胞から放出されるのですが、十分なマグネシウムがあればカルシウムの流入を抑えられるからです。
4糖尿病
血糖値が高くなると、マグネシウムの尿中への排泄が増えるためでしょうか、糖尿病の患者には、マグネシウムが不足しているという研究報告があります。インスリンをつくるには、マグネシウムが必要なので、血糖値が高い人は特にマグネシウムの摂取を心がけるべきでしょう。
5骨粗鬆症
マグネシウムは骨の主要な構成要素であるばかりでなく、骨の中にカルシウムの結晶をつくるのに必要です。血中のカルシウムのレベルが低くなると骨からその都度カルシウムが溶け出していきます。マグネシウムにはその血中のカルシウムのレベルを調節して骨からカルシウムが抜け出るのを防いで、骨密度を維持する働きがあります。
意外な使われ方
海外では、骨格系・心血管系以外に、前立腺肥大、精力減退、ED対策などにも利用されています。喉の弱い方にも役立ちます。
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